古いブレーキパッドを捨てるか、新しいセットを注文する前に、それらをよく見てください。磨耗したブレーキ パッドは、ブレーキ システム全体について多くのことを教えてくれるので、新しいパッドが同じ運命をたどるのを防ぐことができます。また、車両を新品同様の状態に戻すブレーキ修理を推奨するのにも役立ちます。

検査規則
●ブレーキパッドの状態を1枚で判断しないでください。両方のパッドとその厚さを検査して文書化する必要があります。
●さびや腐食を軽視しないでください。キャリパーとパッドの腐食は、コーティング、メッキ、または塗装が失敗したことを示しており、対処する必要があります。腐食は、摩擦材とバッキング プレートの間の領域に移動する可能性があります。
●ブレーキパッドのメーカーによっては、摩擦材とバッキングプレートを接着剤で接着している場合があります。腐食が接着剤と摩擦材の間に入ると、剥離が発生する可能性があります。せいぜい、ノイズの問題を引き起こす可能性があります。最悪の場合、腐食により摩擦材が剥離し、ブレーキパッドの有効面積が減少する可能性があります。
●ガイドピン、ブーツ、スライドは絶対に無視しないでください。ガイドピンやスライドに摩耗や劣化がなく、ブレーキパッドが摩耗したキャリパーを見つけることはまれです。原則として、パッドを交換するときはハードウェアも交換する必要があります。
●パーセンテージで寿命や厚さを推定しないでください。ブレーキパッドの残り寿命をパーセンテージで予測することは不可能です。ほとんどの消費者はパーセンテージを理解できるかもしれませんが、誤解を招きやすく、不正確なことがよくあります。ブレーキ パッドに摩耗した材料の割合を正確に見積もるには、まず、パッドが新品のときにどれだけの摩擦材料が存在していたかを知る必要があります。
すべての車両には、ブレーキ パッドの「最小摩耗仕様」があり、通常は 2 ～ 3 mm の数値です。

通常の摩耗
キャリパーの設計や車両に関係なく、車軸の両方のブレーキ パッドと両方のキャリパーが同じ速度で摩耗することが望ましい結果です。

パッドが均等に摩耗していれば、パッド、キャリパー、およびハードウェアが正常に機能しているという証拠です。ただし、次のパッド セットで同じように動作することを保証するものではありません。必ずハードウェアを更新し、ガイド ピンを整備してください。

アウターパッドの摩耗
外側のブレーキ パッドが内側のパッドよりも早い速度で摩耗する状況はまれです。そのため、摩耗センサーがアウターパッドに装着されることはほとんどありません。摩耗の増加は、通常、キャリパー ピストンが後退した後もアウター パッドがローターに乗り続けることによって引き起こされます。これは、粘着性のあるガイド ピンまたはスライドが原因である可能性があります。ブレーキ キャリパーが対向ピストン設計の場合、外側のブレーキ パッドの摩耗は、外側のピストンが焼き付いていることを示しています。

インナーパッドの摩耗
インボード ブレーキ パッドの摩耗は、最も一般的なブレーキ パッドの摩耗パターンです。フローティング キャリパー ブレーキ システムでは、内側が外側よりも早く摩耗するのが普通ですが、この差は 2 ～ 3 mm にすぎません。
キャリパーのガイドピンまたはスライドの固着が原因で、インナーパッドの摩耗がさらに早くなることがあります。これが発生すると、ピストンは浮いておらず、パッドとインナー パッド間の均等化力がすべての作業を行っています。
インナー パッドの摩耗は、シールの摩耗、損傷、腐食によりキャリパー ピストンが静止位置に戻らない場合にも発生する可能性があります。マスターシリンダーの不具合も考えられます。
この種の摩耗を修正するには、アウター パッドの摩耗を修正するのと同じ手順を実行し、油圧ブレーキ システムとキャリパーに残圧がないか、ガイド ピン穴またはピストン ブーツに損傷がないかをそれぞれ点検します。ピン穴やピストンブーツに腐食や損傷がある場合は交換が必要です。

テーパーパッドの摩耗
ブレーキ パッドがくさび形または先細りになっている場合は、キャリパーの動きが大きすぎるか、パッドの片側がブラケットに引っかかっている可能性があります。一部のキャリパーと車両では、先細りの摩耗は正常です。これらの場合、メーカーはテーパー摩耗の仕様を持っています。
この種の摩耗は、不適切なパッドの取り付けが原因である可能性がありますが、ガイド ピン ブッシュの摩耗が原因である可能性が高くなります。また、アバットメント クリップの下の腐食により、片方の耳が動かなくなる可能性があります。
先細りの摩耗を修正する唯一の方法は、ハードウェアとキャリパーが同じ力でパッドを適用できることを確認することです。ブッシングを交換するためのハードウェア キットが用意されています。

パッドのひび割れ、グレージング、または浮き上がったエッジ
ブレーキパッドが過熱する理由はいくつかあります。表面にツヤが出たり、ひび割れたりすることもありますが、摩擦材の損傷はさらに深くなります。
ブレーキパッドが予想される温度範囲を超えると、樹脂と原材料が分解する可能性があります。これにより、摩擦係数が変化したり、ブレーキ パッドの化学組成や結合が損なわれたりする可能性があります。接着剤のみを使用して摩擦材をバッキングプレートに接着すると、接着が壊れる可能性があります。
ブレーキを過熱させるために山を下る必要はありません。多くの場合、キャリパーの固着やパーキング ブレーキの固着が原因で、パッドが焼けてしまいます。場合によっては、用途に合わせて適切に設計されていない低品質の摩擦材料が原因です。
摩擦材を機械的に取り付けることで、安全性をさらに高めることができます。機械的アタッチメントは、摩擦材の最後の 2 mm ～ 4 mm に入ります。機械的取り付けはせん断強度を向上させるだけでなく、摩擦材料が極端な条件下で分離しない場合に残る材料の層も提供します。

欠陥
バッキング プレートは、いくつかの条件のいずれかの結果として曲がることがあります。
●ブレーキパッドが腐食によりキャリパーブラケットに焼き付いたりスライドしたりする場合があります。ピストンがパッドの背面を押すと、金属製のバッキング プレート全体で力が等しくなりません。
●摩擦材がバッキングプレートから剥離し、ローター、バッキングプレート、キャリパーピストンの関係が変化する場合があります。キャリパーが 2 ピストン フローティング設計の場合、パッドが曲がり、最終的に油圧の故障を引き起こす可能性があります。摩擦材の分離の主な原因は、通常、腐食です。
●交換用ブレーキパッドの裏当て板が純正品より薄い場合、裏当て板が曲がって摩擦材が剥がれる場合があります。

腐食
前述したように、キャリパーとパッドの腐食は正常ではありません。OEMは、錆を防ぐために表面処理に多額の費用を費やしています。過去 20 年間、OEM はキャリパー、パッド、さらにはローターの腐食を防ぐためにメッキやコーティングを使用し始めました。なんで？問題の一部は、顧客が錆びたキャリパーとパッドを、刻印されたスチール ホイールではなく、標準の合金ホイールを通して見ないようにすることです。しかし、腐食と戦う主な理由は、騒音の苦情を防ぎ、ブレーキ部品の寿命を延ばすことです。
交換用のパッド、キャリパー、またはハードウェアでさえ、同じレベルの腐食防止機能を備えていない場合、パッドの偏摩耗またはさらに悪化することにより、交換間隔が大幅に短くなります。
一部の OEM では、バッキング プレートに亜鉛メッキを使用して腐食を防止しています。塗装とは異なり、このメッキはバッキングプレートと摩擦材の間の界面を保護します。
ただし、2 つのコンポーネントを一緒に保つには、機械的な取り付けが必要です。
バッキング プレートの腐食により、剥離が発生したり、キャリパー ブラケットに耳が引っかかったりすることさえあります。

ヒントとガイドライン
交換用ブレーキ パッドを注文するときが来たら、調査を行ってください。ブレーキ パッドは車両で 3 番目に交換頻度の高い部品であるため、多くの企業やラインが競合しています。一部のアプリケーションは、フリートおよび高性能車両に対する顧客の要件に焦点を当てています。また、一部の交換用パッドは、より優れたコーティングとメッキで腐食を低減できる「OE よりも優れた」機能を提供します。